動物由来感染症のお話。
今回はコリネバクテリム・ウルセランス感染症という、コリネバクテリウム・ウルセランス(ウルセランス菌)という細菌によって引き起こさる動物由来感染症についてです。
犬と生活するためには動物由来感染症のお勉強もしていきましょう。
目次
病気の特徴 (症状)
感染初期の症状として
・発熱
・鼻汁排泄
などの風に似た症状で、その後、咽頭痛や咳が始まりジフテリアと同様の症状がみられる。
重症化すると死に至ることもある。
ジフテリア
ジフテリアはジフテリア菌による疾病。
最後に報告されたのが、1999年でありかつては年間8万人以上の患者が発生し、そのうち10%程度が亡くなっていた重要な病気です。
主に気道の分泌物によってうつり、喉などに感染して毒素を放出します。この毒素が心臓の筋肉や神経に作用することで、眼球や横隔膜(呼吸に必要な筋肉)などの麻痺、心不全等を来たして、重篤になる場合や亡くなってしまう場合があります。
感染経路・感染状況
コリネバクテリム・ウルセランス感染症に感染した犬との接触や飛沫により感染する。
海外では、犬や猫以外に牛等の家畜との接触や殺菌されてない生乳の摂取による感染例もある。
予防
成人用ジフテリアトキソイドやDPT-IPV(ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ)4種混合ワクチンが予防に効果があるとされている。
くしゃみや鼻汁等の風邪様の症状や皮膚病を呈している動物との接触を控えて、動物と触れ合った後は手洗い等をしっかり行う。
治療(感染した場合)
人の感染
抗菌薬が有効であるとされてます。国内においては、マクロライド系抗菌薬の使用して治療する。
犬の感染
入院をして、抗菌薬(エリスロマイシンまたはクラリスロマ イシン等のマクロライド系)を2週間ほど投与する。治療をした犬については、再検査の結果、菌が分離されなければ、他の動物や人へ感染はしないと考えられます。